Itsuki Red Stone
五木赤石

熊本県五木村で採石されていた五木赤石(いつきあかいし)。雄大な大地を感じさせる落ち着いた赤色が特徴で、切った断面はサシの入ったお肉にも見えることから、肉石(にくいし)とも呼ばれることがあります。磨くと華やかな赤色になるため、空間のアクセントとして使われることが多いです。

五木村の自然が刻んだ、赤の記憶

五木赤石は、熊本県南部・五木村で採石されてきた銘石です。五木村は九州山地の深い山々に抱かれた小さな村で、標高1,000mを超える峰々が連なり、村の約94%を山林が占める、豊かな自然に包まれた土地です。

険しい峡谷を縫うようにして、“水質日本一”とも称される清流・川辺川が村の中央を流れています。急峻な地形と清らかな水が形づくるこの環境は、長い年月をかけて独自の岩石を育んできました。

五木村の大地と清流が刻んできた地質の記憶——
その背景をもつ石が、五木赤石です。

赤が空間にもたらす力

赤石は、古くから日本庭園で特別な存在感を放ち、和の空間に力強いアクセントと奥行きをもたらしてきました。

日本文化において赤は、生命力や活力を象徴する重要な色とされ、邪気を払う力があると考えられてきました。神社の鳥居や社寺の建築に朱が用いられてきた背景には、こうした色の力が息づいています。五木赤石の鮮やかな赤もまた、その伝統的な意味合いを静かに宿しています。

風水では、赤は「火」の性質をもち、北東・東・南の方位と調和するとされています。仕事運・健康運・人気運を高める色とも言われ、空間に活気と躍動感をもたらす象徴として扱われてきました。一方で強いエネルギーを持つとされるため、取り入れる場所やサイズを吟味することで、より心地よいバランスが生まれます。

五木赤石の赤は、光や影と呼応しながら空間に独自の存在感を添え、置かれた環境に静かな力を与えてくれます。