Kotaro Stone
幸太郎石
青色の濃淡が美しい幸太郎石(こうたろういし)。長い年月の風化作用によって生じた差別浸食が、表面に豊かな凹凸を生み出しています。硬さの異なる鉱物が削られ自然の手が刻んだその造形は、大地が彫り上げた彫刻のようにも見えます。一つ一つが色・形ともに異なる表情を持ち多様な空間を生んでいます。

幸太郎沢に伝わる名の由来
幸太郎石は、北海道・幸太郎沢で採石されていた銘石です。
その名は、地域の山林管理を担っていたアイヌの猟師「川奈野幸太郎氏」に由来します。彼は酒を嗜むとき、沢で拾い上げた良質な石を背負い里へ降り、石と酒を交換していたーそんな逸話が語り継がれ、やがてこの石は「幸太郎石」と呼ばれるようになりました。

幸太郎石が持つ、色相のゆらぎ
幸太郎石は深い藍を基調とした個体が多く採れますが、まれに赤や黒を帯びた石が現れます。とくに赤幸太郎石は、藍の上に紅が大胆に広がり、複雑に溶け合う色層をつくり出す希少な存在です。
一つの素材とは思えないほど多彩で奥行きある表情は、自然が長い時間をかけて描いた唯一無二の“色相のゆらぎ”です。






