Amakusa Mokume Stone
天草木目石

天草木目石(あまくさもくめいし)は、木と見間違えるほど精緻な木目模様を宿す、希少性の高い自然石です。触れると砂肌のようにざらりとした質感があり、素朴でありながら温かみのある表情を見せてくれます。

地元では、この美しい模様を活かして玄関タイルや塀などに用いられ、空間に落ち着きと趣を添えてきました。
また、戦国時代には刀剣や農具を研ぐ砥石としても重宝され、中砥(なかと)として“日本一”と称されるほど高く評価されていた歴史を持ちます。

天草の大地に育まれて

天草木日石は天草門郎時の生誕の地といわれる、熊本県上天草大矢野島で採石される石。天草は隠れキリシタンや島原の乱で有名な場所です。下天草の崎津教会は瓦ぶきの屋根で内部には畳が敷かれた珍しい教会で、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として2018年6月に世界遺産に登録されています。美しく、歴史ある町が育んだ石です。

木目の奥に宿る素材の力

天草木目石に刻まれる独特の“木目”模様は、石に含まれる鉄分が長い時間をかけて酸化したことで生まれたと考えられています。流れるようなその表情は、自然が彫り上げたような静かな美しさをまといます。

石英を多く含む部分は良質な砥石として知られ、古くから一流の料理人に選ばれてきました。粉末は有田焼の原料にも用いられるなど、素材としての奥行きと伝統を併せ持ちます。

水に濡れることで木目の表情がより際立つため、温泉や浴場の床・壁材としても相性が良く、空間にやわらかな品格と深みを添えてくれます。